カテゴリー: 利用者さんの投稿

  • なんといってもプログラムが楽しかった!

    こんにちは。江戸川区瑞江駅から徒歩2分の場所にある就労移行支援事業所のこぶし瑞江です。本日は卒業する利用者さんの言葉をお届けします。

    就労移行支援に通い始めたときは、不安や緊張でいっぱいでした。毎日続けられるかどうか、生活のリズムを整えられるかどうかも心配でした。でも、実際に参加してみると、なんといってもプログラムが楽しかったのです。

    パソコンやビジネスマナーの訓練だけでなく、グループワークや軽作業の時間など、さまざまな体験ができました。仲間と一緒に取り組むことで自然と笑顔になり、「また来よう」という気持ちにつながりました。支援員さんも温かく見守ってくれて、失敗しても「次に活かせばいいよ」と声をかけてくれたので、安心して挑戦できました。

    そんな日々を重ねるうちに、生活のリズムも整い、自分に自信が持てるようになりました。気がつけば、報告や相談といった社会人に必要なスキルも少しずつ身についていて、「働いてみたい」という思いが膨らんでいきました。

    そしてこのたび、無事に就職が決まりました。楽しみながら学び、自分の力を信じられるようになったことが、就職につながった一番の理由だと思います。これからも、ここでの経験を大切に、新しい職場で一歩ずつ成長していきたいです。

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  • おっさんと銃 ~5章 激闘編~

    (こんにちは、江戸川区瑞江の就労移行支援事業所こぶし瑞江です。利用者さんの投稿です)

    ~一日を通して何ゲームも行われるので、2ゲーム程ピックアップしてお送り致します~

    次のゲームは殲滅戦だ。せ、せんめつって相手全員を倒せって事!?おっかねえー。

    初戦とは違い撃たれたら退場だ。慎重に行かねば・・・!自分以外緊張は見られないが、みんなフェイスガードの下は緊張していたのだろうか。

    今回は先ほどとは違うフラッグからで、相手方と接近した状態からスタートとなる。上司曰く、すぐに迂回ルートに走らなきゃ開始と同時に撃たれてもおかしくないとのこと。な、なんじゃそれ・・・!?

    始まる前からアタフタしていると、正面から敵が来るから左手に走るぞーとの上司のお言葉。どのバリケードに飛び込むか目星を付けていると、お構いなしに戦いの火ぶたが切って落とされた!

    開始と同時に敵味方共に銃が火を吹く!うおおマジかよ!と声を上げてドタバタ駆け回るも、上司はありゃ威嚇射撃(おどかすための射撃)だから落ち着けと至ってクールである。そうか、撃つのは倒す以外に驚かせたり気を引かせたりにも使うのか。

    バリケードに隠れながら進もう・・・と思ったけど、お互い脱落者がいないまま全員が接近しているという鉄火場だ。隠れる場所すら足りなくなる程の混戦である。

    前に出たいけど隠れるとこが全部使われてる・・・!というわけでやむなく茂みに身を隠す。さっきは茂みにいる相手が全く分からなかったし、これもバリケードとしてアリに違いない・・・。あ、ちっちゃいクモと目が合った。

    「おいバレるって!」との上司の声。えーダメ?仕方ない他を探すか・・・とキョロキョロしていると、フェイスガード越しに頬に衝撃!撃たれた・・・!というか、防具越しでも痛いなコレ。

    しかしそこは初心者マーク付き、一回の復活という特権がある。めげずに急いでスタート地点まで(迷った末に)たどり着き、急いで前線に(迷った末に)復帰する。

    ・・・いや、正直に言うと迷いまくってウロウロしてましたスイマセン。ただ、迷った末に運よく交戦中の敵の真横に遭遇した。相手は二人、しかもこっちに気づいてない、障害物は背の低い茂みだけ。まさかの大チャンス!

    下手な鉄砲数撃ちゃ当たる!一発当たれば良いんだろうけどゴメンね多めに撃ちます!当たれえ!

    1人目に5発、2人目に3発が命中!完全に気付かれていなかったのか、撃ち過ぎだと内心怒ってるのか、渋々「ヒット!」と退場していった。ご、ゴメンこんなに当たると思ってなくて・・・。

    自陣から「今だ回り込めえ!」との叫び!・・・なんだけど完全にマグレで当てただけなので物凄くオロオロしてしまった。ど、どこをどう回り込めば・・・?

    そんな隙を見逃されるはずもなく、どこからともなく撃たれてしまい、あっさり退場となった。そんなー。

    でも2回倒されたけど2回倒したし!と自分に言い聞かせながらセーフティに戻ると、上司も相方さんもいない。まだ戦ってる様だ。

    イスに腰を下ろすと、一気に疲れが出た。2~3kgの銃を持って、柔らかい土の上を歩き回り、時に走り回ったのだ。日頃の運動不足がこんなところで祟ってくるとはぐぬぬ。

    ・ ・ ・

    さて、次のゲームはフラッグ戦と呼ばれる形式らしい。お互いのフラッグにブザーを置いて、3秒間鳴らし続けた方が勝ちとのこと。

    ・・・えっ?相手倒さなくていいの!?と面食らったが、ブザーを鳴らしている最中に撃たれたら当然アウトである。これ、自陣のブザーを守る事も大事と見た・・・!

    ちなみに今回は先のゲームとは違うフラッグからスタートである。なんと、フラッグの近くに二階建ての簡素な建物がある。家というより公園の遊具といった感じだけど。

    二階に登りたい人は登るのアリですんでー!との事。昔ゲーム内で見た話だと、狙い撃つのは上からの方が有利だという事を思い出して、数人に続いて二階へ上る。ささやかながらも壁が付いていて、弾を防いでくれそうだ。

    倒せないなら守るぞ!というややヘタレな決意の中、戦いが始まった。

    突然、隣にいた味方の銃が茂みに向かって火を噴いた!えっ、敵いた・・・?つい顔を出してキョロキョロしていると、茂みの中から何かが飛ん・・・あぶねっ!

    咄嗟にひざ上程度の高さの壁にかがんで身を隠す。さながらジャパニーズ☆土下座だ。そろそろと顔を出すと、その瞬間壁に弾がバチバチと弾ける。ひええ、これじゃ撃ち合いにならないよ・・・と思ったが、こうも考えた。これ、頭出したり引っ込めたりだけでオトリになれるんじゃ?

    そう思いついた瞬間、心が燃え上がった。そうだ、撃って勝てなくてもゲームに勝つ事はできる。さようならカッコいい戦い方!キメるぜ・・・マッハ土下座!!

    撃ってくる弾は次第に激しさを増していった。隣で撃ち合っていたベテランさんは正々堂々と撃ち合い、何人か倒した末に退場していった。あれこそ目指すべきものだけど、自分は自分にできる事をするのだ。

    そうして撃ってくる相手は一人増え二人増え、4~5人のマシンガンの暴風雨に晒されながら渾身の土下座をキメていた。ちょっと攻撃が収まったかな?となったら適当に撃って気を引くのが効いたらしく、その度にムキになったかの様な反撃の嵐が飛んできた。

    それもそのはず、相手としては、取りに行きたいブザーがすぐそばなのに、近寄った瞬間二階にいる敵に撃たれてしまうと考えるはずだ。フフフ、残念だったな・・・二階にいる筆者は今日が初日であんま危険じゃないとは気付くまい!

    そうして延々と土下座をキメていると、遠くで高らかにブザーが鳴った。オトリとして引き付けている間にこちらの軍の攻めるチームが勝利をもぎ取ったらしい。

    フラフラと立ち上がり、周囲に散らばりまくったBB弾にズッコケそうになりながら二階から降りると、自軍の方々から「ナイスオトリ!」「上向いてるやつばっかりで撃ち放題だったっスわ」等の賞賛に迎えられた。

    う・・・嬉しい・・・!次はもっと頑張ろう・・・!

    次回!

    おっさんと銃 ~6章 決戦編~

    サバゲー、それはクライマックスに向けて激しさを増していく。

    続く。

  • おっさんと銃 ~4章 初陣編~

    Fフラッグに続々と集まる武装集団。思い思いの銃と装備を身にまとう非日常の風景についつい高揚してしまう。重くて硬そうなヘルメットと防弾ベストらしきものを身に付けた人もいるが、一発でも撃たれたらアウトな事に変わりはないらしい。

    じゃあなんでわざわざ着るんですか?と上司に問うと、ベストはプレートキャリアって言って、予備のマガジンなんかも付けられるのよ。何より・・・カッコいいだろぉ!?という返答だった。な、なるほど!

    スタッフさんによるルール説明が始まった。初戦はカウンター戦というルールらしい。撃たれたら自陣のフラッグに戻ってカウンターをカチッと一回押して再び戦い、タイムアップした時にカウンターを押した回数が少ない陣営が勝利とのこと。時間いっぱい戦えるステキルールだ。

    更にフルオートはルールによって禁止の場合もあるが、今回は解禁だそうだ。上司曰く、モンスター映画にありそうな「うわあああ!来るな!来るなあああ!」と叫びつつ弾をばらまくのも乙なものよ、とのこと。やられ役じゃないすかもー。

    スタッフさんの合図で、ついに戦闘が始まった!

    途端に数名が駆け出し、十数m先の障害物に身を隠した。すげー、あれが上級者ですか?と上司に問うと、経験も若さもある人達はああやって有利なポジションを確保して戦うのよ、とのこと。有利なポジションとかあるんだ・・・全くわからん・・・。

    俺たちおっさんはのんびり行こう、と迂回路を提案され、何もわからないまま従・・・

    「ヒットー!」の声!うそ、もう戦ってる!?

    アタフタしてたら既に上司や相方さんは一人隠れるのがやっとのバリケードに身を隠していた。こ、ここからは一人か!

    とりあえず自分も手近なバリケードに身を隠す。障害物もそうだが、草木が多くて何が敵なのかが全くわからない。動くものが敵、と言うにも風に揺れる草木がそれを許してくれない。

    ビクビクしながら回りを見回すと、みんな同じ方向に銃を構え、その方向にバリケード間を渡りながら進んで行く。あ、あっちに敵がいるって事か・・・!

    開始前までゲームだろうとタカを括っていたが、この緊張感は戦いのそれだ。多人数vs多人数という未知への恐怖もあったが、それ以上に戦って勝ちたいという意欲が湧いてきた。

    よ、よしあのバリケードには行けそうだな・・・南無三!と祈りながら中腰で飛び込む。ここなら大丈夫だろうと周囲を見回していると、「そこ!射線通ってる!」との上司の声。

    へ?敵なんてどこにも・・・と、ついその場で周りを見回していると、右耳に痛みが走る!痛ったぁ・・・!

    レンタル防具は顔面のみ、むき出しの耳の痛みをこらえつつ、手を挙げて「ヒットー!」と宣言。ションボリしながら引き返す。上司の「ナイスヒットコール!」の声に気恥ずかしさと不甲斐なさを感じた。うう、かたき討ち頼んます・・・!

    右も左も分からないまま進んできたため、元居たFフラッグを探すのも一苦労(方向オンチ)であったが、同じく撃たれた人の後を付いて行って何とか見つけた。先の人が「そちらの分も押しときますねー!」と明るく声を掛けてくれた。うーん、やっぱり戦いじゃなく健全なスポーツの気配。

    とはいえ、やられっぱなしは悔しい!一矢報いるべく前線のみんなに追いつき、手近なバリケードに身を隠す。

    さっきはのんびり見回してたからダメだったんだ、今度はちょっと敵を探したらすぐ隠れる様に・・・その瞬間バリケードにバチバチと弾がぶち当たる音!あっぶね!

    なんか知らんけどあの辺か!?と咄嗟に撃ち返す!遠くのバリケードで弾が弾ける音が聞こえたのみであったが、興奮が隠せなかった。今、俺戦ってるんだ・・・!

    そのまま時折顔を出しては撃ち込まれ、同じ相手と思われる位置に撃ち込む応酬が続いた。一瞬すら長く感じられる時間であったが、「ヒット!」の声と共に銃声が止んだ。あれ?今隠れてたから撃ってないぞ!?

    困惑しながら周りを見てみると、バリケードに隠れた味方数人が一斉に動き始めた。もしかして戦ってる隙に誰かが倒してくれたのか・・・!?

    役に立てた!という高揚感の中、コソコソと進む。昔FPSゲームの記事かなにかで見た覚えがあるが、撃ち合いは陣取りゲームの様なもの、前線を押し上げる事と撃たれない事が大事という意見があった。撃つのがヘタでも、オトリになる事は可能だし、誰かがオトリになってくれればきっと自分にもチャンスが回ってくる・・・!

    かと言って一人でグイグイ進んだら囲まれてハチの巣だ。どうにか他の人と相互に役立てる位置に行きたい・・・という一念で、ベテランさん達の後や横をコソコソ付いて回る。

    数十m先の物陰からチラッと覗いてくる相手なんて全く分からないのに、他のみんなは把握している様子だ。悔しいな・・・スコープ付きの銃とかなら分かるのか・・・?うう、いくらするんだろう。

    そうしてコソコソしていたら、スタッフさんの合図でタイムアップとなった。結局誰にも当てられなかったか・・・ぐぬぬ。

    ションボリしつつ他の人に続いてセーフティへ戻ると、上司と相方さんがどうだったー?と声を掛けてくれた。やー1回撃たれただけで終わっちゃいました、現実は甘くないですねーと言うと、最初は誰でもそんなもんだよとのお答え。みんな戦える様になるまでどれだけ掛ったんだろう?

    不意にスタッフさんの拡声器越しの声が響き、今回のゲームは黄色陣営が勝利した事を伝えた。我々の勝利だ・・・!!何もしてないけどね。

    こうして撃ち合いには負けたものの、試合には勝てたのだ。滑り出しは上々と言えるんじゃないだろうか。

    何気なく休憩中の他のテントを見渡す。赤陣営も黄色陣営も無邪気に語り合い、お茶を飲み、銃の手入れをしている。心地よい疲労感を感じながら、なんとなく学生時代の運動会を思い出していた。

    次回!

    おっさんと銃 ~5章 激闘編~

    サバゲー、それは楽しんだ者こそが勝者なのである。

    続く。

  • おっさんと銃 ~3章 臨戦編~(ナンバリングはじめました)

    戦いはルール無用、勝って手にするものは虚しさだけ・・・

    なーんてのはどこ吹く風、楽しいゲームなんだし撃って倒して勝ちたいのでルールは真面目に聞きませう。

    シューティングレンジからいそいそと受付前に集合、瞬く間に戦う男達で満たされ・・・せ、センパイセンパイ!武装したモリゾーくんみたいなの混じってるんスけど!

    アレはギリースーツっていう草木にカモフラージュする服だから落ち着きなさい恥ずかしい、とのやり取りの中、運営スタッフさんの拡声器からよく通る声が参加者達に静寂をもたらした。

    スタッフさん曰く、

    • 土に還るバイオBB弾以外は使わない事
    • 法定からオーバーした弾速(簡単に言えば銃のパワー)の銃は使わない事
    • 近隣の住宅に迷惑はかけない事
    • ゲームのフィールド内では必ずフェイスガードを着用する事
    • ゾンビ行為(撃たれたのにそのまま戦う事)は厳重注意!従わない場合は即出禁!
    • 痛くても泣かない

    ・・・等々のルールが次々と読み上げられていった。

    あらかじめ予習はしておいたものの、5番はちょっと新鮮だった。要するに撃たれた判定は自己申告制、正直者のみが参加の資格を得るのだ。それでもズルする人はいるからスタッフも監視してるけどね。

    その後、赤腕章と黄色腕章でチーム分けがされ、自分は黄色腕章と共に初心者印の白テープも腕に巻かれた。この印は1ゲームにつき1回復活が認められるとのこと。ラッキー!

    初心者さんはこちらに集まってくださーいとの声があり、初心者講習が始まった。銃のマガジン(弾倉)の付け方、フルオート(連射)とセミオート(単発)とセーフティ(安全装置)の切り替え方、どこ撃たれても1発アウトで、撃たれたら「ヒット!」と自己申告して退場する等々・・・

    ちなみに倒したり勝ったりのコツ等は教えてもらえませんでした。チクショウ!

    初心者講習から席に戻ると、上司と相方さんが銃の手入れと銃トークに華を咲かせていた。うーんどの銃もデカくてゴツくてカッコいいな・・・!と目を輝かせてると、上司の相方さんが何か興味ある銃とかあるの?と声を掛けてくれた。

    すいません正直詳しくなくて・・・AKってのが有名って聞いて触ってみたいなってくらいですー、と正直に答えると、ああ持ってきてるよちょっと待ってて、とすぐ近くに止めてた車のバックドアを開けた・・・うわ武器庫みたいになってる!?

    はいコレAK47ね、と手渡された銃は想像以上の大きさと重さ、そして迫力を伴っていた。整備しやすい、悪環境に強い銃と聞いており、写真で見てシンプルな銃だなーと思っていたが、実物は効率と性能をありったけ詰め込んだかの様な凄みを放っていた。(エアガンだけど)

    使ってみる?貸すよ?と気軽に言ってはくれたものの、レンタルガンに比べると妖刀の様な存在感を放つその銃に尻込みしてしまい、ちなみにコレおいくらですか・・・?とおそるおそる聞いたところ、次世代だから5万円かな?との事。恐れ多いんで無理っスー!!と丁重にお断りしておいた。

    ちなみに次世代ってのは次世代電動ガンという、高性能&撃つと反動があってド迫力という高級品だ。ドケチの自分にゃ恐らく一生縁がないものである。

    ちなみに上司はMP5という、これまた次世代電動ガンを使うらしい。うーん5万円とかホイホイ使っちゃう業界なのか・・・?恐るべしサバゲー愛。

    いいんだ俺には自分の銃(レンタル)があるから・・・!チーム分けの時に聞いたけど今回は大体25vs25くらいの試合らしいし、この300発撃てる銃さえあれば平気っスよ!

    との強がりに、さっきのAK47って600発入るし予備マガジンもあるよとの返答。め、めげないぞ俺。

    経験者のお二人は悠々と支度を整えて、自分もいそいそと弾込めをしていると、そろそろ始めまーす!参加者はフィールドインお願いしまーす!とのスタッフさんの声。

    あわわ急がなきゃ!あわわフェイスガード忘れてる!と見事にアタフタしながらネットで隔たれた戦場へ入った・・・そう、何も考えず入ってしまったのだ。

    戦場は開戦を前に静けさを放っていた。一見すると木板の壁や粗末な小屋、廃車等が乱雑に並ぶ森の一角という、特筆すべき事もない風景だったが、各障害物の陰から銃口が狙ってくる・・・?と考えると、途端に突き刺すような殺気が感じられた。そう、私はビビりだ。

    広大な(と感じた)フィールドの中を、同じ色の腕章の方々の後に続いて歩く。上司にどこを目指してるのか問うと、Fフラッグだよとの事。え、えふふらっぐ?

    なんでもフィールドは奥行き200m、幅120mくらいで、フラッグ?とやらの地点がAからFに割り当てられており、こちらはFフラッグからスタート、相手方はAフラッグからスタートとの事。

    200m×120m・・・?と、数字で聞くとそれほど大きくない様に聞こえるけど、どこから狙われるか分からない障害物だらけの空間は数字以上に広大に感じた。

    都会では味わえない柔らかい土を踏みしめ、武装した男達の一部になって進む。・・・あ、あっちは女性のグループだ。あ、あの人迷彩服じゃなくて軍服とピストルだカッコいい!

    キョロキョロしたら恥ずかしいでしょーと上司にたしなめられつつ、Fフラッグに戦士達が集う。相手方のAフラッグは120mほど離れているだけのはずだが、障害物と草木に阻まれて影すら見えない。

    学生時代に初めて空手の試合に参加した時のような、全方位から空気が肌に刺さる感覚。

    よし・・・覚悟は決まった。

    こ っ そ り 行 く ぞ !

    次回!

    おっさんと銃 ~4章 初陣編~

    サバゲー、それはスポーツであり、遊びであり、闘争でもある。

    続く。

  • おっさんと銃 ~準備編~

    隠れたバリケードから、顔を覗かせる。

    途端に銃声が響き渡り、怒り狂うスズメバチの群れがぶつかる様なバチバチという音が壁に弾けた。

    味方は意に介した様子もなく、点在するバリケードを飛び移る様に、或いは怯む様子すらなく優雅に歩いて行く。

    みんなどれだけ心が強いんだ・・・!緊張に押しつぶされそうになりながら、すがる様に己の銃を握りしめた。

    新兵もベテランも関係ないと言わんばかりに手の中のずっしりと重く、当たれば倒せるという自己主張を続けていた。

    このまま終わってたまるかっ・・・!

    ・・・行くぞッ!

    あ、ヒットー。もうやられた・・・戻るか(ションボリ

    • ・ ・

    「定例会」と呼ばれる日である。

    サバゲー場の特にイベントでもない、一般的なゲームの日の一幕であった。

    ゴメンてちょっとカッコつけたかったんだってぇ。

    • ・ ・

    都営新宿線に揺られ、めったに乗らない京成線に乗り換え、たどり着いたのは千葉某所。

    先輩によると千葉はサバゲー場が多数存在する主戦場との事であった。戦場て。

    あらかじめ予約をし、駅前から送迎の車両を待つ。

    早朝から大荷物を抱えて座り込む男性が数人。ちょっぴり珍しい光景であった。

    後から知った事だが、愛銃を数丁持ち込むのは当然とのこと。

    一丁2kg前後、BB弾、戦闘服、飲み水、お弁当。すげえなサバゲー愛。

    時間ぴったりに到着したワゴンに揺られ、人通りの少ない道を行き、たどり着いたは森の中。

    土を固めただけの簡素な駐車場、砂利の上にテーブルとテントが張られた準備スペース。

    ワイワイと銃の手入れをする迷彩服の男達。ここが・・・俺の戦場・・・!

    会社の上司とその相棒の方に挨拶を交わし、いざ受付へ。

    料金を支払い、初心者パックの内容物を受け取る。

    レンタルガン:淡い茶色のホッとする色合いのマシンガン。

    上司によるとマシンガンじゃないの!アサルトライフル!とのこと。

    どう違うんすかもー。

    弾丸    :0.2g弾 5000発。

           こ こんなに使うの・・・?

    戦闘服   :迷彩ツナギ。

           腹の出っ張りも迷彩で隠れたらいいのに。

    防具    :フェイスガード。

           プラスチック製。サンセイというその道では有名なメーカーの名作防具らしい。

    年甲斐もなく目が輝いた。銃も装備も戦争のために生まれた道具だろうが、目的のために作られて洗練された道具は美しいものだ。

    セーフティエリア(準備スペース)で撃っちゃいかんけど、撃っていい場所があるから調整に行こうぜ、との上司の言。

    何調整するんやろ?と首をかしげていると、ホップ調整とやらをするとのこと。

    BB弾をまっすぐ飛ばすよりバックスピンをかけて浮き気味の飛び方にして、遠くまで飛ばす調整をするそうだ。よく考えられてるなあ・・・。

    そんなわけで防具を着用し(迷彩服にマスク 既にテンションが高い)、シューティングレンジ(銃を撃っていいスペース)へやってきた。

    手前側に机が数台並び、広いスペースに20m、30m、40mとの看板が立っている。

    先客が既におり、机に数丁の銃を置き、職人のような鋭い目付きで看板や立ち木を撃っていた。

    ちょっとその銃貸して、調整するから、と伸ばされる上司の手。

    自分の持ち物ではないはずの銃の小さなフタを開けて慣れた手つきで何やらカチカチ。

    あらやだ頼もしい。

    渡した銃は荒々しい工事現場の様な音で火を噴き、30mと書かれた看板に銃弾が弾けた。

    ちゃんと調整されてるね、練習してみと渡された銃をおそるおそる構える。

    どうやって狙うかもわからないまま引き金を引くと、ずっしりとした重み、大人が両手で構える大きさ、それらに詰め込まれた機械類が躍動した。恐れる気持ちを鼓舞するかの様な真っ白いBB弾達が宙を切り裂き、20mと書かれた看板付近の立ち木にパララッと軽快な音を立てた。

    ・・・体に電流が走った。今なら分かる、アニメやマンガ等で悪役が

    「ヒャッハー!汚物は消毒だあ!」等と言いながらマシンガンをぶっ放す気分が・・・!

    あれ、北斗の拳のあの場面って火炎放射器だったっけ?

    これが・・・これが「武器」か!というテンションの高さになったが、上司の「じゃああの20mの看板狙ってみ」の一言で現実に戻された。ぜ、全然当たらねえ。

    うーんヘッタクソだなー(笑)まあ一発当てるだけでいいルールだし、どんどん撃ってこう。

    とのおやさしい言葉。・・・弾5000発もらったんですけど5000人倒さなきゃ勝てないんですか?といったらはたかれた。分からんから聞いたのにー。

    マガジン(弾を入れるところ。弾倉とも。)いっぱい弾を詰めてきたなら300発(!?)は撃てるから練習しよっかー、というお言葉に甘えて撃ちまくっていると、そろそろ集まってくださーいとのスタッフの掛け声が聞こえた。

    い、いよいよか・・・!(ゴクリ)

    毎日叱られまくり、ションボリするだけの人生とはオサラバ!ここからは銃と戦いを愛する男になるんじゃぁい!

    そんな事を思いながらグフグフ笑っているプラスチックのマスク&腹の出た迷彩服ツナギの男が一人。シャバにいられるギリギリの気持ち悪さである。

    次回!

    おっさんと銃 ~臨戦編~

    サバゲー、それは心に戦場を拓くもの。

    続く。

  • おっさんと銃 ~邂逅編~

    (このブログは利用者さんに書いていただきました!)

    ーーーーーーーーーー

    待ってほしい。軍隊やヤクザが持ってるアレのお話ではないのだ。帰らんといて。

    銃と言ってもエアガンの事、厳密に言うならエアソフトガン(サバゲーで使える程度の威力のエアガン)の事である。

    どうして銃って言ったのかって?その方が・・・カッコええかなって・・・いやゴメンて。

    私とエアガンの出会いはまだ一般雇用で就職していた頃、前々職の職場の若い子との何気ない雑談にさかのぼる。

    その若い子は線の細い現代っ子ながら要領が良く、暇を見つけてはスマホゲームをしていた。おっゲーム好きか?仲良くなれそうやなと思い、ドラクエとかやる?と問うたが、彼はこう答えた。

    「世代じゃないんで」と。

    世代じゃないんで・・・

      世代じゃないんで・・・

       世代じゃないんで・・・

    衝撃であった。ゲームと言えばドラゴンクエストだのファイナルファンタジーだのという若かりし時代を過ごした身としては、心の根底を揺るがす一言だったのだ。やべーぞ俺もうおっさんやないか!

    すっかり打ちのめされたのをひた隠し、ど、どんなゲームやるのかナ?(震え声)と聞いてみたところ、FPSとかっすねー、あとサバゲーとかです、とのこと。

    FPSって鉄砲で撃ち合うアレかあ、最近の若い子はファンタジーより鉄砲なのねえ・・・

    え“っ、サバゲー?

    テレビゲームじゃなくマジの撃ち合いやないか!何なのこの子!

    ・・・とは思ったものの、詳しくない身としては何やら面白そうだったのでつい色々聞いてしまった。

    Q1 エアガンでホントに撃ち合うのよね、痛くないん?目とか危なくない?

    A1 痛いっすけど離れてるんでそこまででは・・・あと顔は絶対防具着けるルールです。

    Q2 マイ鉄砲とか持ってるの?やっぱ高い?

    A2 持ってますよ。アサルトライフルの新品だと3万以上しますね。・・・あー、マシンガンのことです。中古なら1万前後で買えますけど、現地でレンタルの銃も借りれますよ。

    Q3 なんか楽しそうだけど初心者でも行っていい・・・?

    A3 誰でも最初は初心者じゃないっすか(笑) 慣れるまでやられまくりっすけど、倒すためとか生き残るためとか工夫して結果につながると楽しいっす。それにみんなで迷彩服とか戦闘服とか着て銃持ってるだけでも楽しいっすよ。

    とのこと。うーんすごい世界に触れた気がする・・・

    そして数年後、前職の先輩との雑談にて。

    結婚してると趣味に使える金が少なくてねえ・・・サバゲーとエアガン集めが趣味なんだけど、買ってもよく嫁さんにネットオークションに出されてるよワハハ・・・

    へえカッコいい趣味っすねー!・・・ってアンタもぉ!?

    意外とやる人多いのか・・・?話のネタになるしやってみたいな・・・と思っていたところ、興味あるなら一緒に遊ぶ?とのお誘いを頂いた。マジか。

    レンタル銃がある事は知っていたものの、それ以上に初心者パックなる大変おトクなコースがあるらしい。よし行くかァ!(お買い得・割引・期間限定等に激ヨワ)

    やったこと全くないけどサバイバル「ゲーム」って言うくらいだしゲーム好きの俺ならきっと・・・

    ~妄想~

    敵接近!二時の方向!

    ここは俺に任せて先に行け!ウオオオオオ!

    ・・・我が軍の勝利は君のおかげだ。敬礼!

    ~妄想終わり~

    軍人として当然のことをしたまでですデヘヘェ(よだれ)

    よーしやる気出てきたァ!

    ・・・この時、前々職の若い子が言っていた言葉は完全に頭から抜けていた。

    「慣れるまでやられまくり」

    やられまくりとは言ったけどあんなにズタボロな結果じゃなくても・・・

    次回!

    おっさんと銃 ~準備編~

    サバゲー、それは日常と非日常の境界線。

    続く。